発明、閃きの瞬間

初めは苦しみの連続

 技術者が新しい商品を開発するとき、たいていは課題に直面し、その課題をいかに解決するかに奮闘すると思います。課題解決の手がかりがつかめないときはとても苦しいですね。関連する技術資料を調べたり、経験者の意見を聞いたり。思いついたことは試作、実験して確かめたり。。。なかなかうまく行かない場合が多いですね。

ふとしたきっかけ

 課題が解決できないと、悶々とした時間が長く続きますね。よく聞くこととして、「失敗から発明が生まれる」。。。これは、失敗すれば必ず成功すると言うことでは無くて、失敗をきっかけとして気づきが起きるのだと思います。例えば、バブルジェットの開発、ポストイットの粘着剤の開発等々。ただし、多くの場合はそのきっかけが見逃されていないでしょうか?

常に考える

 きっかけを見逃さないための最善の方法は、「常に考える」ことだと思います。そのうちに、意識しなくても常に考える習慣が付いてきます。私は、エンジニア時代に、よく会社帰りの電車の中/風呂に入っているとき/はたまた夢の中で閃いたことがあります。たぶん、ふっと緊張感が解かれ、頭の中に少しのゆとりができたときに閃きが起きるのでしょう。でも、いつもボーっとしていても閃きは起きません。

閃きは偶然では無く、必然的に起きる!

 閃きは、ただぼーっとしていれば起きるものではありません。常に考えていること、努力の積み重ねのご褒美で閃きが起きると思っています。常に考えてると、無意識のうちに(潜在的に)考え続けることになります。無意識になれば、ストレスを感じなくなります。そして、些細なきっかけでも見逃さず閃きに気付きます。きっかとの出会いは偶然かもしれませんが、それに気付くことは常日頃の努力の成果であり必然的なものでしょう。この時の感激は、発明者冥利に尽きますね。きっとご褒美だと思っています。

閃きはすぐに記録する

 閃いたときはすぐに記録する。これは、多くの発明家の方も仰っていますね。閃いてもすぐに忘れてしまします。それに、時間がたつと、閃いたことが大したことでは無いような気になってしまいます。夢の中で閃いたときは、起きたらすぐメモするようにしていました。私が発明者として特許出願したうちの約半数は、緊張感がほぐれたときの閃きによる発明でした。

五感で発明する

 最近気付いたことがあります。あるお客さんからの依頼で明細書の添付図面を作っていたときのこと。私は、たいてい手書きのラフスケッチを描きながら具体的な構造を確認してからCAD図面を作成します。お客さんからいただいたラフスケッチではよくわからなかったのですが、自分で手書きしてみると奥に潜んでいた課題(このままではうまく機能しない)が浮かんできました。課題が明らかになれば、その解決手段は見つけやすいもの。すぐにお客さんに解決手段を提案し、了解を得て図面に反映しました。つまり、自分の手を動かして図面を書くことである意味閃きました。ラフスケッチをそのままCAD化していたら多分閃かなかったことでしょう。他に、試作品を手に取って触りまくることで発明に気付くこともあります。頭で考えるだけでは無く、五感で発明しているようです。

閃き、発明を見逃さないことが重要

 技術者の方、経営者の方(特に中小企業の)は、こんな閃き/発明を見逃さないことが重要です。高価な魚、宝をみすみす逃してしまうことになります。そのためには常に発明を意識する/常に考える習慣を身につけておく必要があると思います。

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